かがみ「ちゃんと祈りなさいよ」
2010年1月2日 時事ニュースアニメ『らき☆すた』の舞台となったことから、ファンが“聖地巡礼”するようになった埼玉県鷲宮町の鷲宮神社。正月三が日の初詣客はアニメ放映前の13万人(2007年)から42万人(2009年)にまで急増したという。予想通りすごいことになってました。
2009年3月に東京国際アニメフェアで行われたアニメツーリズムについてのシンポジウムで、鷲宮町の町おこしの取り組みを聞いた筆者は、鷲宮町を実際に訪れて、ブームが続いている様子を目の当たりにした。しかし、テレビアニメ放送から2年半が経った今も、その流れは継続しているのだろうか。そこで、筆者は鷲宮神社に行き、2010年への年越しの瞬間を確認することにした。
●実際に行ってみた
都内から電車を乗り継ぎ、最寄り駅の東武鉄道鷲宮駅に着いたのは大晦日22時半ごろ。電車には老若男女が乗っていたが、筆者と一緒に鷲宮駅で降りた人たちはすべて20~30代の若い男性。東京ビッグサイトで3日間開催されていたコミックマーケットの最終日とあってか、数人がアニメキャラクターなどがプリントされた紙袋を提げていた。
鷲宮駅の改札を抜けると、壁に2種類の鷲宮神社初詣用ポスターが貼ってあった。1つのポスターは神社の写真を使った普通のポスターなのだが、もう1つの手製ポスターには『らき☆すた』のキャラクター名が書かれていたり、英語での案内が書かれていたりした。
鷲宮神社へ年越しの様子を見に行くにはまだ時間が早いので、少し鷲宮町を散策することにする。鷲宮町商工会の案内を見ると、年末年始でも営業している店がいくつか紹介されていた。鷲宮神社の鳥居前にある甘味処「大酉茶屋わしのみや」などでは、年をまたいで元日2時まで営業しているようだ。
鷲宮神社と逆の方向に歩くと、ある写真店の前に『らき☆すた』御輿が飾られているのを発見した。この御輿は鷲宮神社の「土師(はじ)祭」で実際にかつがれたもの。提灯に明かりが付けられていて、前を通る人たちが携帯電話を向けて写真を撮っていた。
9カ月前に来た時にも思ったのだが、『らき☆すた』ファンが描いた絵などを飾っている店が多いことに改めて驚く。前回は見なかった作品も増えていて、中にはファンが作った『らき☆すた』御輿の模型を店頭に飾っている店もあった。シンポジウムで北海道大学の山村高淑准教授が、「町おこし成功のポイントは交流にあった」と解説していたことを思い出す。
10分ほど歩くと、一連の町おこしイベントを仕掛けた鷲宮町商工会に着いた。留守番をしていた女性がいたので、お願いして建物内を見せてもらうと、一面に『らき☆すた』関連のポスターが張ってあり、もはや商工会とは思えない雰囲気。
女性いわく、年末年始に合わせていくつかのイベントを打ち出しており、大晦日も朝6時から「ツンダレソース」という2種類の特製ソースを新発売したそうだ。鷲宮町商工会Webサイトでは、「キャラクター商品だからと言って、中身が同じで、ラベルを貼っただけの商品にしたくなかったとの思いがあります」と本気度をアピールしている。
実は鷲宮町は2010年3月23日に周囲の自治体と合併して久喜市となるため、鷲宮町としての年越しは今回が最後となる。ただ、合併の混乱を避けるため、鷲宮町商工会はしばらく残るらしい。
●3000~4000人ほどが並んでいた
そうこうしているうちに年越しの時間が近付いてきたので鷲宮神社に向かうと、鳥居前で埼玉新聞の鷲宮特別版を配っていた。埼玉新聞が創刊65周年記念として『らき☆すた』とコラボした全4ページの新聞で、主人公である泉こなたの声優を務めた平野綾さんのインタビューなどが掲載されている。
鳥居横では鷲宮町閉町記念の『らき☆すた』住民票を300円で販売していた。アニメ制作を担当した京都アニメーションによる書き下ろしで、クリアファイルなどもセットで付いてくる。3万セットを用意しており、大晦日と正月3が日に販売するとのこと。
また、特製の『らき☆すた』Tシャツ(3200円)を買った人向けの抽選会も行われており、賞品には平野綾さんのサイン入りTシャツなどがあった。抽選会のスタッフには鷲宮町と今度合併する栗橋町から手伝いに来ている人もいて、「うちでも同じようなことをやろうとしているんですよ」と話していた。
23時50分ころには、新年の参拝の列が神社の外まで伸びていた。家に帰ってからGoogleマップで確認してみたのだが、列の長さは400~500メートルほど。1列4人で列の間隔を50センチとすると、3000~4000人ほどが並んでいたことになる。列の前の方は『らき☆すた』ファンが多いのか男性比率が9割ほどだったが、後ろの方はほとんどが地元の人だったようで女性比率が高くなっていた。
●そして年が明けた
2010年1月1日0時、特にカウントダウンなどもなく、静かに年越しの瞬間を迎える。しかし、年が明けるとどこからともなく歓声があがり、「あけましておめでとう」と言い合う姿がそこら中で見られた。
同時に本殿の隣では神楽奉納が始まった。鷲宮神社Webサイトによると、この神楽は鎌倉時代の記録にも残っているもので、関東神楽の源流と評価されているという。伝統の神楽と『らき☆すた』が共存しているのは、中々興味深い光景であった。
もはや観光名所と化しているのが絵馬奉納所。『らき☆すた』などの漫画絵が描かれた絵馬が半分近くを占めており、多くの人が盛んに写真を撮っていた。「100拝目!!」と書かれた絵馬を見た高校生くらいの2人組が「近くに住んでいる俺らでも、そんなに行っていないよな」と感心していたのが印象的だった。
参拝の長い列は時とともに短くなり、3時半ころにはなくなった。実際に行ってみて気付いたのだが、年越しの時点で参拝していたのはほとんどが地元の人で、『らき☆すた』ファンはそれほどいなかった。元日の始発電車に乗った人が200人くらいだったことを考えると、『らき☆すた』ファンは多くても全体の2割ほどではなかったかと想像する。
産経新聞によると埼玉県警地域課では2010年正月三が日の鷲宮神社初詣の人出を、2009年並みの42万人と予想しているという。アニメによる町おこしは一過性に終わるのか、それとも長く根付いていくのか。今後の動向にも注目していきたい。
『らき☆すた』の聖地、鷲宮神社で初詣をしてきた
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/01/news005.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/01/news005_2.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/01/news005_3.html
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1066593&media_id=40
俺も行きたいぞ!
と云うかTV放映終わってもう2年半になるのか。
それにもかかわらずこの盛り上がりぶり‥。
すげぇ。
鷲宮町なくなってしまうのか‥。
と云うか、久喜市鷲宮町になるんだよな?
閉庁記念の住民票&クリアファイル欲しいな。
コレもネット通販してくだせぇ。
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