【温州(中国浙江省)隅俊之】「安全だったんじゃないのか」。乗客の家族は激しい怒りをぶちまけた。23日夜、高速鉄道の追突事故が起きた温州市の現場は雨で地面がぬかるみ、救出活動は難航していた。「こっちにもいる」と救助隊員の怒号が飛び交う。血まみれの乗客が担架で次々と運び出される。目撃者は「落ちた車両から運び出された女の子は息がないようだった」と涙声で語った。

 温州市中心部から西数キロの田園地帯。24日早朝、記者が現場に入ると、白地に青のラインが美しかった「和諧」号は黒ずんだ無残な姿をさらしていた。高さ約15メートルの高架橋から転げ落ちた1両は、地面に突き刺さるように高架橋にもたれかかっている。地面には落下した2両が完全に横倒しに。連結部が激しくひしゃげ銀色ににぶく光る。

 転落した4両のうち損傷が激しい先頭車両は運転室に事故の重要情報が残されているとみられるが、重機で粉々に取り壊され、地面に埋められた。残る3両や高架橋に取り残された車両は同日夕方までに地面に下ろされ、重機で並べられた。

 住民によると、事故発生の約1時間半前から降雨が激しくなり一帯の民家も停電していた。その後、切り裂くような金属音の後、激しい地響きが起こった。脱線した車両は盛り上がるようになった後、防音壁を乗り越えて約15メートル下まで転げ落ちたという。

 乗客の話では、追突された列車は現場の手前付近で急に速度が出なくなり臨時停車。「天候の理由で臨時停車します」とのアナウンスが流れた。その約7分後、再び動き始めたかと思った瞬間、後ろから激しい衝撃があり後続列車が追突。車内は助けを求める悲鳴で「地獄のようだった」という。

 追突した列車は、温州南駅への到着に向けて徐々に減速し、乗客の多くが立ち始めた時だった。乗客の一人は「衝突前に急ブレーキは感じなかった」と話した。闇の中を安全装置が働かずに衝突した可能性がある。

 現場から車で約20分の「温州手足外科医院」に搬送された陳姿さん(40)は夫卓煌さん(39)と長男睿※ちゃん(6)と先頭車両に乗っていた。全身打撲の陳さんの隣のベッドで、左目が腫れた睿※ちゃんが「家に帰りたい」と泣き叫ぶ。(※は吉が横に二つ)

 事故後、陳さんが気づいた時はベッドの上だった。夫は助かったのか、今も分からない。「安全だと信じていた高速鉄道で惨事が起きるなんて。二度と電車に乗ることなどできない」

 中国浙江省温州市で23日に起きた高速鉄道の追突事故で、鉄道省の王勇平報道官は事故発生から丸1日が過ぎた24日深夜、現地で初めて記者会見し、追突した列車から運行記録装置(ブラックボックス)を回収したことを明らかにし、「状況が判明すれば直ちに公表する」と明言した。追突した列車の運転士(死亡)と運行管理センターとのやりとりなど、事故の人的要因の有無も大きな焦点になりそうだ。

 一方、事故現場では24日午前、追突して高架橋から落下した先頭車両が重機で粉々に砕かれ、土中に埋められた。計器類などがある運転室も埋められたため、インターネット上では「証拠隠滅ではないのか」との批判が高まっており、事故原因の情報開示がどこまで進むかも焦点に浮上している。

 事故は浙江省杭州発福建省福州南行きのD3115列車が停止し、後続の北京南発福州行きのD301列車が追突。報道官は国営新華社通信などの取材に「落雷による設備故障が原因」と語ったが、会見では「具体的な原因は調査中」と述べるにとどめた。

 一方、25日付の中国紙「新京報」は追突原因について、落雷で衝突回避システムがダウンしたとの見方のほか、先行列車の運転士が停止情報を運行管理センターに送っていなかった▽運行管理センターから追突した列車に適切な停止指示が出ていなかった▽追突した列車の運転士が危険情報の通報システムのスイッチを切っていた--といった人災の可能性を指摘。

 当局はブラックボックスの解析を通じて事故直前の運転士の対応や、事故前の信号機確認の状況、運行管理センターとのやりとりを検証するとみられる。

 一方、追突した先頭車両が土中に埋められたことに対して、王報道官は会見で「地面がぬかるんでおり、機械を現場に入れるための危険回避の措置だ」と反論。ただ、検証作業は24日に行われておらず、当局はむしろ運行再開を急ぐ方針を明らかにした。

 車両の埋設は、「発展の象徴」である高速鉄道のイメージダウンを最小限にとどめたい中国指導部の意向が反映されている可能性もある。

 一方、新華社通信によると、事故が起きた区間(寧波-温州南)で25日午前、運転が再開された。事故からわずか1日半での運転再開は大きな議論を呼びそうだ。

高速鉄道 先頭車両壊し埋める
http://mainichi.jp/select/world/news/20110725k0000m030133000c.html
http://mainichi.jp/select/world/news/20110725k0000e030043000c.html
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1683042&media_id=2
まずは、犠牲者の冥福を祈る。合掌。
さすが世界一が大好きな国。
事故も世界一早いし、隠蔽も早いし、言い訳も世界一だ。
何かしら隠蔽せざる得ない事故原因があるんだろうな。
大体、ここの所何かしら不具合が起きまくってるのに、なーんにも対策してなかったっぽいからな。
そもそも、落雷くらい予測できるはずだろうに、それごときで故障するほど脆弱なシステムなのか。
起こるべくして起きた事故と云えるかもしれん。

鉄道の場合、追突というだけで言語道断。
起こってしまった事故は詳細に分析して再発防止に務めるのが当然。
それを怠るとまた事故は起こる。
一応ブラックボックスは回収してるみたいだけど、埋めたのは車両だけじゃなく遺体や生存者ごと埋めたらしい‥。
まぁ事実は定かじゃないけど怖い話だ。
そしてこの鉄道ってもう運行が再開されてるらしいね。
福島の時の政府対応と本質的に同じだよね。
自己利益の確保の為には一般人が何万人死のうが些事な事であると。
因みに、安全と云い張ってたこの技術は独自開発なんだってさ☆
この言葉をみんな覚えておこうね。
そろそろ違う事を言い出すから、このボケ共。

ちなみに日本の新幹線の場合、走行中の先行車両に3km以内に近づいた場合、自動的にATC30が掛かるからね。
震度4以上のP波が観測されても自動で停止する。
そう云えば、その時のATC30の時って、駅停車時同様のATC確認は要るのかな?
もしそうなら、最悪自動ブレーキ解除されないから、追突事故自体は防げるから、より安心だ。



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