トランクス「母さん、ただいま」
2011年11月13日 コラム福岡市南区の野間というところに「勝龍軒」というラーメン店がある。昭和47年(1972年)から39年間、ラーメン1杯100円を貫き通しているという。いきなり本題とはズレるが、広島センター街にも創業以来1杯250円の「広島ランメン」があった。
「どうせ、インスタントラーメンのようなラーメンだろう」と思って、この100円ラーメンを注文してみると、何と、チャーシュー、ネギ、キクラゲは麺が見えないほど盛りだくさんに入っている本格的なラーメンではないか。麺はしっかりコシがあるシコシコの普通麺、博多特有のこってり豚骨スープよりは少しあっさりした塩豚骨スープが麺によく馴染んでいて、実にウマイ。
「これで100円?商売が成り立つんですか?」と聞きたくなるが、そんな不粋な質問はやめにして、店奥の壁に並んだ奇妙な2つの壁掛け時計について聞いてみた。右側の時計は現在の時刻を刻んでいるのだが、左側の時計は2時30分55秒で止まったままだ。
「ああっ、あの時計はココがオープンしてすぐ止まってしまったの。直そうとしたけど直らなかったのよ。取替えようと思っていたときに、学生時代に毎日のようにココに来ていたチャゲ&飛鳥の飛鳥涼が、あの止まった時計を見て、『今日も明日も、20年後も、変わらぬ姿でボクを待っていてくれる』と詩人みたいなことを言ったものだから、はずせなくなってしまったのよ。」とおかみさんはいう。
40年近くも止まったままの時計、今では「飛鳥の時計」としてみんなに親しまれているらしい。
ココの来店客は今も昔も地元の学生が多いという。40年前に学生だった人も、現役の学生も、近所の駄菓子屋にでも行くように100円玉を持って「勝龍軒」のラーメンを食べに来ているのだろう。50歳ぐらいの中年男性が、まるで中学生が母親に言うように「おかあさん、ごちそうさま」と言って、静かに100円玉を置いて、店を後にした。きっと、この人にとっては、片手では開きにくい店の引き戸が「時間の扉」だったのかもしれない。
「母の遺志を継いで、このままやれるところまでやりますよ」と、このお店をひとりで切り盛りしている2代目のおかみさんは明るく元気に語る。
シンプルな「勝龍軒」というのれんが掛かっているとき、「時間の扉」を開けてみよう。そこには2時30分55秒で止まったままの「飛鳥の時計」と、時間を超越した「おかあさん」が待っている。
39年間、ラーメン1杯100円を貫き通している店「勝龍軒」
http://rocketnews24.com/2011/08/31/126329/
↑の記事より価格は負けるが、麺1.5倍の大盛で350円、2倍の学生(名称とは裏腹に年齢制限ナシ)で400円だった。
学生時代のみならず、広島在住8年間は非常にお世話になった。
毎週日曜日にそごうで遊ぶ時には必ずココで昼飯食ってたからな。
文章が過去形になってる事からお分かりだろうが、2~3年位前に閉店してしまった。
非常に残念でならない。
正確には安佐南の西原にあるみたいだが、店の名前も地味に違うし、値段もセンター街店から考えるとかなり高くなってるので、別物と考えていいか?
まぁ中身は同じなんだろうがね。
さて、本題に戻ろう。
と云うか、こちらも負けず劣らずすごい店だな。
1杯100円てこっちのセルフうどん並に安いぞ。
と云うか、内容からして太刀打ちできるんは池上くらいではなかろうか。
しかも「飛鳥の時計」とはまた浪漫があるな。
まさに地元のおふくろといった感じか。
この店にはゼヒとも長く長く頑張っていただきたい。
2休
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